天部とは天上界に住む神々のこと 天部は梵語でデーバ、天のことで天界の意味がある。仏教では天上界に住む神を天といいます。インド古来からの神々が仏教に取り入れられ仏教の守護神となった。また、人々に現世利益を与える神として信仰されている。 四天王、梵天、帝釈天など甲冑に身を固めた武人像、吉祥天、弁才天などの天女像、鬼子母神、荼吉尼天などの鬼神像に分けられる。その他大黒天、 韋駄天、摩利支天、仁王(金剛力士)、十二神将、技芸天、二十八部衆なども天部に入る。 これらの神々は仏教的な姿に調整され、またはそのままの形で仏教に取り入れられたので仏教の姿とはかなり異質のものが多いのです。 |
主な明王 ①梵天 ②帝釈天 ③吉祥天 ④弁財天 ⑤毘沙門天 ⑥四天王 ⑦韋駄天 ⑨大黒天 |
■四天王(してんのう)とは?
帝釈天に仕え、仏教世界の東西南北を守る守護神
帝釈天の配下で仏教世界を護る神様です。東方を護る持国天(じこくてん)、南方を護る増長天(ぞうちょうてん)、西方を護る広目天(こうもくてん)、北方を護る多聞天(たもんてん)からなります。 多聞天のみ単独で祀られることがあり、単独では毘沙門天(びしゃもんてん)と呼ばれています。
生前の釈迦の教えを聞いており、釈迦から自分が亡くなった後に仏法を守護するように託されたといわれています。ちなみに、武勇や技芸に優れた4人が「○○四天王」と呼ばれるのは仏教の四天王から来ています。
甲冑を着た武将姿の像で、岩や邪鬼の上に立っています。広目天以外は武器を持っており、広目天は筆と巻物を持っています。
ご利益
聖徳太子が物部氏との戦いで戦勝祈願をしたのが四天王です。戦勝祈願・国家鎮護のご利益があります。
今回は、「⑥四天王(3)広目天(こうもくてん)」を描きました。 広目天(こうもくてん)は、仏教の守護神である四天王の一尊で、西方を守護する役割を担っています。梵名では「ヴィルーパークシャ」といい、「特殊な能力の目を持った者」という意味があります。この名前が転じて「広目天」となったと言われています。
役割 広目天は、千里眼のような特別な目(浄天眼)で世の中を観察し、仏の教えと信じる人々を守護するとされています。人々には、真実を見抜くための「智慧(ちえ)」を授ける役割も持っています。 これにより、学業成就や合格祈願、頭脳明晰といったご利益があるとされています。 別名を毘楼博叉(びるばくしゃ)とも呼ばれ、十六善神にも加えられています。
姿と持ち物 広目天の姿は、革製の甲冑を身につけた唐代の武将風に表されることが一般的です。四天王は邪鬼を踏みつけている姿で描かれることが多いです。
広目天は他の四天王と異なり、武器ではなく、右手に筆、左手に巻物(巻子)を持っているのが特徴です。これは、人々を教え導くための智慧を象徴しているとも言われています。密教の胎蔵界曼荼羅では、赤色の体で右手に三鈷戟、左手は拳にして腰に当てた姿や、羂索を持った姿で表現されることもあります。中国の民間信仰では、赤い顔で龍を持つ姿が多く見られます。 |