「腐っても鯛」という言葉を比喩的表現だと思っている人が多いと思います。
確かに「鯛」は日本の代表的な白身の高級魚であり、お祝いの席に使われることが多い魚です。
その理由としては、①姿が美しい②長寿の魚である(30~40年)③多産であるなどが挙げられ、鯛の名前を「おめでたい」とかけることからです。お値段も張ります。しかし、いくら鯛でも腐ったら食べられないだろうと思う人は、常識のある人です。
ところが、「鯛」は本当に少々なら腐っていても食べられる魚なのです。文字通り、腐っても食べられるところから、「腐っても鯛」といわれるようになったのだそうです。
もともと、鯛の体は、ない細胞の外膜がとても頑丈に出来ているのだそうです。
鯛はうま味成分のイノシン酸を含んでいますが、イノシン酸は分解されにくいため鮮度が落ちても味が落ちにくいという特徴があります。だから、少々の細菌が取り付いてもなかなか腐敗が進行しないのだそうです。さらに、肉質中に水分が少ないため、この点でも腐りにくいのだそうです。
そのため、鯛は少々いたんでいても、丁寧に水洗いすれば、刺身では無理ですが、焼き物、煮物としては十分食べられるというのです。そんなところから、「腐っても鯛」という言葉が生まれたというわけです。
鯛はうろこを取り、内臓を出して、水洗いしたあと水気をきれいにとり、そのままぴったりとラップをして、肉・魚専用室かチルド室に入れておきます。鮮魚としては日保ちするほうで、4~5日もつそうです。
冷凍するときは、うろこを取り、内臓を出して、水洗いしたあと水気をきれいにとり、そのままぴったりとラップをして、空気をしっかり抜きます。1ヶ月ぐらい保存できるそうです。
平安時代には「平魚(たいらうお)」という記述が『延喜式(えんぎしき):905年(延喜5)』にあります。「平魚(たいらうお)」と呼ばれた由来は、体形が平らなところからつけられためで、「たい」という名は「たいらうお」が略されたためという説があります。
また「たい」という名前は、えびす様が釣る魚だから「めでたい」魚で、それを略して「たい」といったという説や、一級品としての魚「大位(たいい)」から「たい」になったという説など、様々な説があります。
「鯛」という字は、もともと中国では別の魚のことを指していたのですが、日本人が「たい」という魚のことを書くのに当てはめてしまったそうです。
因みに、鯛は日本では魚の王様といわれますが、欧米では「貪欲な魚」としてあまりよい印象はないようなのです。徹底した肉食主義の魚であり、エビ、カイ、タコなどを襲って貪欲に食べまくるからだといわれています。
同じ魚が日本では喜ばれ、欧米では嫌われる。文化の違いとは、食の違いから発生するのではないかと思うくらいです。
一般的に鯛は春がいちばん美味しいといわれ、花の時期に産卵のために沿岸に寄ってくる鯛は「桜鯛」と呼ばれ珍重される。それに反して「麦藁鯛」と呼ばれる梅雨~夏の鯛は、格下のものとして扱われている。「蕎麦鯛は馬も食わぬ」
「蕎麦鯛」の意味は分かりません。蕎麦には夏収穫されるものと、秋に収穫されるものがあるようなのですが・・・。
産まれた時は、精巣と卵巣の両方を持っているのですが、先に精巣の方が発達するので、生後2年までは全部がオ
スなのだそうです。その後、卵巣が発達してきて2~3年までは大半が両性。3年で一部がオスになり、4年で性の分化が起きてはっきり雌雄が決定するが、メスが圧倒的に多いのだそうです。オスからメスに性転換するのです。
それで、鯛はカマ飯が美味しい・・・?
食中毒の季節です。皆様もくれぐれもお気をつけ下さい。腐っちゃった鯛は食べられません。
したっけ。

